お問い合わせは不動産物件の管理会社様からでした。
内容は以下の通り。
- 物件は20㎡程度のワンルームマンション(1DKまではいかない。。1K?)
- 3週間ほど前から女性が住み始めたが、虫に刺されると苦情が来た
- ほぼ毎日複数個所刺されるらしい
- トコジラミという虫らしい
- どういう状況か見て欲しい
- 駆除できるか?
- 現在住んでいる女性が引越しの際に持ち込んだ可能性は無いか?
駆除業者としてはいろいろと疑問点もありました。
しかし、まずは調査しないと話が始まらないと思い、お伺いする事にしたのです。
そのお部屋に住み始めて3週間という入居者様と連絡をし、日程を決め(できるだけ早くとのご希望でした)早速お伺いしました。
3週間でこれはありえない!深刻すぎる被害
お部屋を拝見させていただき、その被害の深刻さに本当に驚きました。
小さなキッチンのあるワンルームマンションなのですが、至る所にトコジラミの血糞が…。
それどころか昼間の調査に関わらずそこらじゅうをトコジラミが歩き回っているのです!
昼間にこれほどのトコジラミが歩き回るということは、めったにありません。
試しに、幅木(床と壁の合わせ目部分の目隠し板)をちょっとめくってみました。
すると、血糞とトコジラミの脱殻と生きたトコジラミがぎっしりと…。
そこだけではありません。床についているドアストッパー用金具の中にも大量の被害痕跡が。
被害個所を列挙してもきりがない、それほどに深刻な被害でした。
一体どのくらいの期間トコジラミを放置するとこれほどの被害になるのでしょうか?
少なくとも、3週間やそこらでこれほどの被害になることはありません。
年単位でのトコジラミ放置が考えられます。
調査を終え、管理会社様に報告をすると、改めてご質問を頂きました。
「現在お住まいの方が持ち込んだ可能性は無いか」と。
トコジラミは、決して一般的な害虫ではありません。
そのため、不動産管理業務を行なっている方でも経験が無ければ知らないのは当然です。
しかし、これほど激しい被害が入居3週間で発生するはずがありません。
だからこそ、以前この部屋を利用していた人が残していったものとしか考えられない旨を改めてご報告しました。
なかなか、すぐには納得していただけませんでしたが…。
これは稀なケース。しかし、危険度は身近
今回の事例は、本当に稀なケースだと思います。
弊社でもこれほど明確に「引越し先に最初から居た」と言う事例はこの1件だけです。
しかし、だからといって油断はできません。
それほどに、トコジラミ被害は身近に蔓延し始めているのです。
なお、逆の事例は何度かありました。
集合住宅で大屋様から、
「引っ越していったからリフォームを入れようと思ったらトコジラミが居るから駆除して欲しい」
これは、家具が一切無い部屋での作業なので本当にしっかり駆除できます。
次の借主様に被害を引き継がずにすんだ幸運な事例といえるでしょう。